Y濾材(乳酸菌容器)水質浄化作用の結果


調査者:(国立大学法人)静岡大学 教授 加藤慶二Y濾材(乳酸菌容器)水質浄化作用の結果

St.1 大字三ッ和字前田
ヨシ原が繁茂 黒い軟泥・悪臭・沿岸ヒシ繁茂
St.2 大字三ッ和字沢目
砂地 近辺にヒシ繁茂
測定:  平成24年8月23日 14:18 測定:  平成24年8月23日 15:25
 水温:38.87℃  水温:35.35℃
 pH:8.6mg/L  pH:9.34mg/L
 Orp,mV:127  Orp,mV:91
 EC、mS/cm:0.198  EC、mS/cm:0.167
 濁度,NTU:42.3  濁度,NTU:17.4
 TDS,g/L:0.123  TDS,g/L:9.107
 DO:mgO2/L:14.06  DO:mgO2/L:11.72
 透視度:94.2cm  透視度:100cm

結果
直接検鏡による細菌数の計測:st.1湖水(細胞数/mL)
全細菌数
5.9×106±9.1×105  分裂中の細胞の割合:5.7%
ヤクルト濾材に付着したバイオフイルム
1.0×109±3.1×108   分裂中の細胞の割合:2.8%

直接検鏡による細菌数の計測:st.2湖水(細胞数/mL)
全細菌数
1.7×106±7.0×105   分裂中の細胞の割合:7.9%
ヤクルト濾材に付着したバイオフイム
1.1×106±3.2×108   分裂中の細胞の割合:1.2%

全活性バクテリア 湖水サンプル
St.1 34.6% St.2 32.8%
バイオフィルム
St.1 20.6% St.2 31.1%
サイトファーガ/フラボバクテリウム
St.1 10.7 % St.2 4.5%
バイオフィルム
St.1 18.5% St.2 15.6%
岸からの汚濁かより進んだst.1では湖水中の細菌数もst.2の約3倍の湖水1ml当たり5.9×106であった。それぞれの地点に浸漬されたY濾材に形成されたバイオフイルムには、st.1/st.2それぞれにほぼ1gあたり109の細胞が確認された。この値は土壌中の細菌数ほぼ同じオーダーであり、細菌数からみたバイオフイルムは悪くない状態であったといえる。また、有機物分解に重要な役割を果たす高分子分解能を有するサイトファーガ/フラボバクテリウムグループの細菌がそれぞれ全細菌の18.5%と15.6%と湖水における値10.7%と4.5%より2~3倍の値を示したことからY 濾材バイオフイルムによる有機物分解の促進は期待できることがわかった。