8月28日 アサザの移植・翁島小学校移植指導

アサザは水質浄化に貢献する良い植物です。

アサザの貢献度
1.水質浄化作用:光合成によって有機物の生産性能力が大きいこと。新しい葉を生産するのに湖の窒素やリンが必要になる。つまり、アサザが成長するのには廻りの水からたくさんの窒素やリンを吸収してくれる。
葉身はいろいろな小動物や昆虫に食べられる。その昆虫を小鳥や鴨類が食べる。その小鳥や小動物は猛禽類に食べられると言うように、自然界には捕食型食物連鎖が働きその鳥類は陸上に糞を落とすことで、窒素やリンは陸上に還元される。更には秋になると渡り鴨が葉身を全て食べ、夕方から朝方に掛け陸上に上がり糞をする。
2.浸食防止作用:アサザが繁茂すれば、波を消してくれる。防波堤は波を跳ね返すだけだが、アサザは波を吸収してしまう作用が働く、岸辺の抽水植物群落の保護。消破堤の代役になり崩れを防ぐ。
3.魚類の保護(ゆりかごから墓場まで):アサザが波を消してしまうことは、ヨシなどの抽水植物が繁茂しやすい。そこは魚類産卵場所及び保護増殖の場提供。更にその場所は外敵から身を守ることができる。稚魚等は逃げ回ることもないので安心して生活でき、よけいなエネルギーを使わないため成長も早い。
4.景観構成:湖面一面に黄色い花が咲く。この光景は黄色いジュータンを敷きしめたような見事な景観を見ることができる。
5.総合学習: 環境教育の提供ができる。
6.その地方の風物詩: その地方にしかない一地方の好材料となり、人類の福祉または情操の高揚に貢献できる。

アサザ(ミツガシワ科・アサザ属)
水質浄化に貢献している浮葉植物(絶滅危惧Ⅱ種)
名の由来「和名アサザの語源は水深の浅い所に生育することから由来する。」
この名は平安時代から呼ばれていたらしく、若葉は食用として利用されていた。
開花は7月末から10月までと、開花期間長い特徴をもっている。しかし、1日に咲くのは1花で半日しか開花しない。寿命は短命であるが植物自体が群生し自生する特徴をもち、一面に黄色い花を咲かせる。花はキュウリの花に似た濃い黄色の花をみごとに次々に咲かせる。茎3~4cmで早起きの半日花と言われているように、日の出と共に開花し、太陽が傾きかかるとかすんでしまう。このように残念なことは朝咲き出し午後にはかすんでしまうと言う性質を持っている。
葉身は厚く表面はワックスを塗ったようになめらかなので、水をはじき葉には水が染み込まないようになっている。葉は水中に日陰をつくることから、たくさんの魚や小動物の隠れ家となっている。アサザは長い期間にわたって花を咲かせ続けるが、一つ一つの花の命はとっても短くて、花の寿命は季節やその日の天候によって開花時間が異なってくる。