アサザ ミツガシワ科・アサザ属

水質浄化に貢献している浮葉植物(絶滅危惧Ⅱ種)

名の由来・和名アサザの語源は水深の浅い所に生育することから由来する。この名は平安時代から呼ばれていたらしく、若葉は食用として利用されていた。
開花は7月末~9月末までと、開花期間長い性質を持った植物である。

浮葉植物の特徴

アサザが成長のために水から吸い取った窒素やリンなどのうち水に戻る分を小さくすることができる。種子らは水質に大きく左右され汚濁が進めば発芽状
アサザには水底の泥の中を這う地下茎から直接伸びる長い茎柄と、地下茎から斜めに立ち上がる水中茎の節から伸びる葉柄があるが、水中茎の長さも1メートルを超えることはあまりないので、生育できるのはせいぜい水深1.5メートル程度であろう。

Ⅰ.水質浄化作用

栄養塩(窒素・リン等)をアサザ自身が吸収してくれる。つまり湖の富栄養湖を貧栄養湖にしてくれる。
アサザ群落が生息することによって、水質浄化にも大いに役立つ可能性が生まれてくる。

Ⅱ.浸食防止作用(群生することによって、波は和らげられ沿岸は浸食から防げる。)

アサザの大群落があれば、沖からの波を受けたアサザは先端部で葉身を大きく上下に揺らしているが、その上下運動も水域に浮いている大きな葉身の役割が大きく、その群落の中を進んで来るうちに次第に丸くゆるやかになり、岸辺に来るまでに波はほとんど消えてしまう。

Ⅲ.魚類の保護(産卵場所や稚魚の生活の場になる。)

コイやフナ、ナマズなど湖に生息する多くの魚類が、春から夏にかけて抽水食物・ヨシ原の中の浅い水域に入って産卵をする。

Ⅳ.景観形成(湖面一面に黄色い花が湖面を覆うように開花する。)

湖面には黄色のジュータンが水に浮いているような景観をみわたすことができる。

Ⅴ.総合学習(水環境・環境教育・環境保全)

従来のように猪苗代湖の水質悪化や汚濁問題等についての話題の提供よりも効果が期待できるのではと思われる。

Ⅵ.風物詩(猪苗代湖にしか無い植物。猪苗代湖の風物詩として保護したい。)

その地方の風物を特徴づけ、その地方を科学的に研究する上の好資料となり、あるいは情操の高揚に貢献するときに、これを保持することが重要であろう。天然記念物、国立公園などの景観にも情操して行くことでしょう。